最近、Youtubeなどでも
「資産形成はS&P500を積立ておけばオッケー!」
みたいな雰囲気になっている気がします。
私も基本的には賛成です。
構成銘柄を考えたらまだまだ成長しそうだとは考えています。
ただし、だからといって万人にS&P500を全力投球で買っておけばいい。
とは言えません。
理由は3つあります。
①下落時のメンタルが持たない。
②みんなが買いだすと天井の可能性が高い。
③過去、必ずしも常勝という訳ではなかった。
1つずつ解説していきます。
①下落時のメンタルが持たない
上の棒グラフはリーマンショックの前後の騰落率です。
2008年9月に米・大手のリーマンブラザーズという金融機関が一夜にして倒産しました。
それに伴って世界中に瞬く間に金融システムに対する不安が駆け巡り、リーマンショックが
発生しました。
その時の騰落率ですが、先進国株は59%マイナスになりました。
1000万円持っていたら、約400万円程度にまで下がりました。
株式なので暴落する時は血の気も引くぐらい下がることもあります。
頭ではいずれ戻ってくると理解していても
直前までの楽観ムードから一気にこの世の終わりのような悲壮感が漂います。
この辺はFPでも投資経験がない方や歴の浅い方だったら実感としてないので
もし、FPに投資の助言を求めるのであればその人の投資歴や経験も聞いておきましょう!
私は証券会社で提案する側の立場も経験したので、○○ショックが来ても
その辺りのリスク許容度は慣れてます。
リスク商品を今どき、銀行、証券どこでも扱っていますが
(保険でも変額保険もあります。)
本当に暴落が起きた時、狼狽せずに継続できる人は
割と少ないと思ってます。
時には元の水準に戻るまで何か月もかかることもザラにあります。
日経平均なんて30年経って、最高時の半値程度しか戻っておりませんよ。笑
つみたてで最も懸念すべきことは
何が起きても何年も何年も退屈だけど継続できるか?
という事です。
あの悲壮感は私の相場観を形成するためには生きた経験だったと思います。
ちなみに私はS&P500つみたて賛成派ですが、
いずれ暴落する時が来るとは思ってますので
それを想定して、別のシナリオも組んではいます。
だから○○ショックが起きても脱落せずにいてくださいね。
②みんなが買いだすと天井の可能性が高い
1929年に世界恐慌という大不況が起きました。
第2次世界大戦直前のころの時代ですね。
その頃にこんな逸話があります。
当時、ケネディ大統領の父が靴を磨いてもらっていた際に
その少年から「お客さん、○○の銘柄は儲かる!だから今は買いだよ。」と
言われたそうです。
これを聴いてケネディパパは
「こんな少年まで株を買っているのであれば、もう新たに誰も買わないだろう。」と
言って逆に売却したそうです。
その後、世界恐慌が起きたのですが、暴落に巻き込まれることはなかった
とのことでした。
世界恐慌直前は、猫も杓子も・・・みたいな状況だったようです。
直前までは米国は第一次世界大戦後の空前の好景気でした。
みんながS&P500を推奨して、今まで買っていなかった人が買うってことは・・・
世界恐慌直前の靴磨きの少年のころと似ていませんか?
③過去、必ずしも常勝という訳ではなかった
平成元年のころの時価総額ランキングと
平成末期のころの時価総額ランキングです。
何がいいたいかというと
米国株が常に最強だったわけではないという事と
当時の日本経済状況を考えるとまさか30年後にランキングから
日本株が姿を消すと想像できた人がいただろうか?
ということです。
ここ10年は最高の投資先だったS&P500も次の10年も
最強でい続ける保証は誰にもできません。
以上、「とりあえずS&P500買っとけ!」という世の中の風潮について思う事でした。
私自身も、米国株は事業などをかんがえると
まだまだ成長期待ができる魅力的な起業が多いと思っています。
しかし、最近のSNSや関連書籍から感じる印象は
世界恐慌前夜の乱痴気騒ぎをしていた頃の雰囲気に似ている気もしてます。