人間力=営業力?

ABCナレッジアカデミー・学長、川浪です。

私自身、証券会社の営業マン時代を含めると金融業界に5年半以上経ちましたが、実は金融業界の営業のやり方には違和感があります。

よく金融業界では

「商品なんてどこでも変わりない。

営業マンの人間力で勝負だ!」

という方がいますが、私はこの考えには大反対です。

他の業界・・・

例えばラーメン屋さんで

「ラーメンなんてどこも一緒!接客で勝負だ。」

と言い出した店主に対してあなたはどう思いますか?

そうです。他の業界では許されない事がまかり通っているのが金融業界の営業という仕事なのです。

商品自体が手に取って品質を確認できないせいもあるのでしょうが、

優れた提案(場合によっては顧客のことを思ってあえて提案しない。)をするよりも

自社商品を売り込む力がある人が評価され、

称賛される文化のある業界なのです。

上記のような思想が蔓延しているように感じますが、

本来、顧客の将来の経済不安を解消するために優れた金融商品の提供をすべきなのに、

それを放棄しているように感じます。

金融機関本位の思想だと思います。

もちろん、担当営業マンの誠実さとか人間力があるに越したことはありません。

だからと言って、「販売する力=人間力」だとして、それを鍛える事に一辺倒であっていいはずはありません。

人間力と提案力が両方あってこそ、存在価値があると思います。

また、これからはインターネットで金融商品の売買をする時代がますます加速していき、自社で営業マンを抱えない会社も増えていくと思います。

つまり、業界自体の体質は否応なしに変化せざるを得ない時代に突入したように感じます。

というと

「(たとえ良いと思ってなくとも)自社の商品を売らないと生活できないので

そんなの理想論でしょう。」

とおっしゃる方もいるかと思います。

ただ、私は

「自社商品のクロージングを商談のゴールにするから画一的な提案になるのであって、商品提案がゴールではなく、視野を広く持って『顧客の経済不安を解消する』ことを商談のゴールにすれば決してそんなことはない!」

と信じています。

もし、自社商品一辺倒の提案に後ろめたさを感じているのであれば

・自社商品のクロージングを最終目標にせず、

・多角的なプランニングを立てられるFPになる事を

真剣に目指してみませんか?